人狼雑記 アウェイのすすめ その3



 続きですが、あまり引っ張るネタでもないので今回で最後にします。


 対面人狼を始めて半年で初めての県外遠征。大阪のトイラボ人狼団 & 大阪リアル人狼会。 今まで連続ガード無しルールで2連続真占い噛みの脳筋プレイをしていた自分にとって、 連続ガード有りで役職の真取り合戦というプレイ環境は新鮮であり脅威でもあり、全く良いところ無しのボッコボコでした。 それでも、いやそれだからこそアウェイ遠征というのは価値があります。


 さてココからが本題。アウェイでの新しい環境に身を置くことによって「自分を知る事」から始まります。 その方法ですが、まずはアウェイで【どのようなポジション(どのように扱われた)】かと【(言われて)困ったこと】を列挙していき、 次にこのようになっている理由を考えて、自分のプレイヤータイプと照らし合わせて分析します。


  • 初日処刑が多い
    ⇒寡黙だから
  • 占われない
    ⇒空気だから
  • 噛まれない
    ⇒スケープゴートだから
  • 初日喋れない
    ⇒受身だから
  • 役職内訳を聞かれて困る
    ⇒役職考察していないから
  • 【アクティブ】  【パッシブ】
  • 【ロジカル】  【パッション】

 ・・・恥ずかしながら遠征するまで自分はロジカルプレイヤーだと思い込んでいました。 対面人狼を始めたときに憧れるのは論理的考察をバチッと決めたロジカルプレイヤーであり、 誰しも運よく妖気レーダーがささっただけのパッションプレイヤーとは呼ばれたくないもの。その思いが本当の自分を知る機会を奪っていたのでしょう。 しかし、新しい環境に身を置いた結果は一目瞭然。 役職考察をせず、占い真贋に重きを置かないロジカルプレイヤーなんて居るわけがありません。
 自分がパッション派なのはよく判りましたが、初日に司会進行などは特にせず気付いた事があっても積極的には発言せず、 その代わりよっぽどの事が無い限り口を挟まないというパッシブタイプです。ポジションとタイプが判ったところで対策を練ります。 基本的にパッション派だからロジカルになるだとか、パッシブだからアクティブになるという苦手克服系の対策ではなく、 現在のタイプ特性を活かし、長所を伸ばしていく対策をします。


※初日から積極的に発言したり司会進行をするプレイヤーを「多弁」・ 初日にはあまり発言しないプレイヤーを「寡黙」と定義します。


  1. 寡黙で初日処刑が多い
    ⇒まずは何故寡黙だと初日処刑されやすいのかを考えます。 そもそも投票というのは【人狼】を処刑するためのものです。 ということは「寡黙プレイヤーが【人狼】だから」なのでしょうか? もちろん答えは「NO」です。 多弁プレイヤーは【人狼】側でも多弁であり、逆もまた然りです。
     では何故寡黙が初日処刑となるのか?もちろん理由はいろいろありますが最もシンプルなのは「多弁に投票するのは気が引けるから。」です。 【多弁狼】【寡黙狼】・【多弁村人】・【寡黙村人】の4種類のプレイヤータイプがありますが、 【寡黙村人】の心理としては村のために(なっているかどうか判らないが)発言している多弁側に投票するのには引け目もあり勇気が要ります。 翌日以降に多弁側から反論される可能性があり、投票理由を上手く答えられないと自分の立場が悪くなるからです。 【寡黙狼】の場合は【寡黙村人】よりもステルス性が要求されるため、余計に投票しにくいものです。 では【多弁狼】の場合はどうでしょうか? 寡黙が多弁に投票するのと同様に【多弁狼】が【多弁村人】に投票するのもやはり気が引けるのです。 それは何故か?多弁を処刑しようとすると思わぬ反撃を喰らう事となり労力が要ります。 やもするとバトルと呼ぶに相応しい舌戦になる事もあります。 そのような事態になるだけでも目立つのに、バトってから慌てて噛むともう怪しさ満点です。 という訳で「喋らないから。」という理由だけで投票しやすい寡黙を処刑し、やっかいな多弁は襲撃していくという戦法を取るのが基本です。 多弁を排除できる可能性があるのは多弁だけなのですが、残念ながら【多弁村人】は【人狼】が誰かが判りません。 寡黙側に【人狼】が居る可能性も否定できません。 そして多弁が多弁を排除するのには労力が要るの法則により、やはり寡黙側に投票する可能性が高いのです。 という訳で、上記4種のプレイヤーの多弁・寡黙・狼・村人全ての思惑が一致した結果、寡黙が吊られるのです。 さて、ここまで分析が終われば後はどうすればいいかお判りですね?そう、答えは「あえて多弁に投票する。」です。 そもそも寡黙派の私自身が寡黙に投票している限り、この連鎖は終わりません。その行動内容は4.で後述します。


  2. 空気で占われない
  3. スケーブゴートで噛まれない
    ⇒これは寡黙派の長所といえる部分。初日処刑さえ回避できれば、終盤まで生き残れる可能性が高いことを示唆しています。 では終盤で何をすればよいのかと言えば自身の白アピとそれまでの推理考察です。 どのようにアピールして推理考察をしていくのかは4.5.で後述します。


  4. 受身で初日喋れない
    ⇒1.での基本方針通りに行動してみます。 するといざ多弁に投票するにはそれなりの投票理由が要るので、自然と多弁の言動に注視するようになりました。 判断がつきにくい場合でも自分なりに白っぽいかどうか判断して無理やりにでも投票してみます。 そうなると自分なりの行動原理が構築され「序盤の引き出し」が増えました。 初日は「あえて多弁に投票すること」を宣言し、2日目には「初日の投票理由」を話す事で序盤の発言が出来るようになったのです。 また、場合によっては「初日からこんなに目立つ事しますか?」という終盤の白アピールにも利用可能です。


  5. 役職考察をしていない
    ⇒ 今までは役職考察の内訳を聞かれてから考えて、それでも答えられなかったりするとその狼狽振りが黒っぽく見えてしまっていました。 しかし、現在では役職考察ができなくてもあまり気にしていません(それはそれで問題ですが・・・。) 代わりに論拠となるものが見つかったので、あえてバカ真面目に相手の土俵に乗ることなく、自分の論拠を披露できる余裕が出来たからです。 それがどういうことかというと・・・。
     上記4.で初日から多弁の動向に注視していると、自然と多弁が語る役職考察にも注目するようになりました。 つまり「役職考察する人の考察」という事です。 と言ってもロジカルな事はあまり判らないのですが、村のために真剣に考察しているのか?自分と同じような感想や意見なのか? 役職考察以外に何か独自の意見を言っているのか?何かターニングポイントになるような発言をしたのか?などを判断材料とするようになりました。 【人狼】の襲撃先の優先順位は真剣に役職考察をしているロジカルプレイヤーなので私が襲われる可能性は低く、 また私が白置きした多弁が襲われた場合は残念ではありますが、でも私の考察は間違っていなかった事の証明となり、これまた判断の材料となります。
     初日に多弁に投票する基本方針なので、多弁と寡黙の投票と襲撃のバランスにも気づくようになりました。 例えば1.で話したとおり初日は大体寡黙処刑なのですが、初日に多弁が吊られる時があります。 それは確定役が投票候補を絞ったときや、前回のゲームで多弁が人外側でMVP級の働きをしたときです。 この時は人外側が処刑チャンスとばかりに多弁に投票しますので、処刑された多弁が白だった場合は、 その投票先を洗ってみると【人狼】が見つかりやすいです。

 纏めるとパッシブ&パッション派である自分がアウェイで己を知った結果、 「役職考察する人の考察」「多弁と寡黙のバランス理論」という基板を築く事が出来ました。 もちろん実際には役職CO者と占い・霊媒結果が混ざり合うので一筋縄では行かないですし、 少人数村ではバランス理論の効果は薄いですが、自分なりの論拠を表現できるようになった事は大きいかと思います。 ホームグラウンドで慣れてきたなーと思ったら是非遠征を!以上「アウェイのすすめ」でした。


※『 』はプレイヤーネームです。【 】はそれぞれ【村陣営】【狼陣営】【第三勢力】の役職です。